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論文

Stress measurement of stainless steel piping welds by complementary use of high-energy synchrotron X-rays and neutrons

三浦 靖史*; 鈴木 賢治*; 諸岡 聡; 菖蒲 敬久

Quantum Beam Science (Internet), 8(1), p.1_1 - 1_14, 2024/03

Probabilistic fracture mechanics (PFM) is expected as a reasonable structural integrity assessment method for nuclear components such as piping, whose main degradation phenomenon is stress corrosion cracking (SCC). Some input parameters are necessary for PFM analysis, and welding residual stress is one of the most important parameters because welding residual stress affects SCC initiation and propagation. Recently, a double exposure method (DEM) with synchrotron X-ray has been proposed, and the method is an expected candidate for the measurement of welding residual stress with a high spatial resolution. In this paper, the DEM was applied to measure the residual stress of the plate specimen, which was cut from the welded pipe using electrical discharge machining, and detailed stress maps under a plane stress state were obtained. Furthermore, the residual stress distributions of the welded pipe under a triaxial stress state were also evaluated using neutron diffraction. From these results, the method for obtaining a detailed stress map of the welded pipe by the complementary use of high-energy synchrotron radiation X-rays and neutrons was proposed.

論文

Improvement of probabilistic fracture mechanics analysis code PASCAL-SP with regard to PWSCC

真野 晃宏; 山口 義仁; 勝山 仁哉; Li, Y.

Journal of Nuclear Engineering and Radiation Science, 5(3), p.031505_1 - 031505_8, 2019/07

亀裂を有する原子力構造物の健全性評価には、決定論的な破壊力学に基づく手法が用いられている。一方で、影響因子の不確実性の考慮及び構造物の破損確率の定量評価が可能であるという理由から、確率論的破壊力学(PFM)に基づく手法の実用性が期待されている。原子力機構ではこれまでに、沸騰水型原子炉水質環境中における粒界型応力腐食割れや疲労等の経年事象を考慮した原子力配管の破損確率の評価を目的として、PFM解析コードPASCAL-SPの開発を進めてきた。近年国内では加圧水型原子炉一次系水質環境中応力腐食割れ(PWSCC)に起因する亀裂がニッケル合金溶接部において確認されていることを踏まえ、その構造健全性評価が重要となっている。本論文はPWSCCを考慮した一次系配管の評価を目的として、PASCAL-SPに整備した機能について示すものである。PWSCCに関連する確率論的評価モデルとして、亀裂の発生、進展、貫通亀裂からの漏えい量の評価及び非破壊検査による亀裂の検出等のモデルを整備した。また、解析コードによる応力拡大係数の計算精度の向上を図った。評価事例としてPWSCCに起因する周方向及び軸方向亀裂を有するニッケル合金溶接部を対象とした破損確率の評価を示した。加えて、非破壊検査及び漏えいの検知が破損確率に及ぼす影響を評価した。評価結果を踏まえて、改良したPASCAL-SPがPWSCCを考慮した一次系配管の破損確率評価に有用であると結論付けた。

論文

Improvement of plant reliability based on combining of prediction and inspection of crack growth due to intergranular stress corrosion cracking

内田 俊介; 知見 康弘; 笠原 茂樹; 塙 悟史; 岡田 英俊*; 内藤 正則*; 小嶋 正義*; 木倉 宏成*; Lister, D. H.*

Nuclear Engineering and Design, 341, p.112 - 123, 2019/01

 被引用回数:5 パーセンタイル:48.18(Nuclear Science & Technology)

原子力プラントでは、リスク基準保全(RBM)にサポートされた信頼性基準保全(RCM)に基づくプラント信頼性向上策が採用されつつある。RBMは主要な材料に生じつつある欠陥をその進展過程で予測し、検査、保全を最適に組合せて実施されるものである。プラント全体にわたり、IGSCCを早期検出することにより、水化学制御などの適切な対応策の適用が可能となる。腐食環境とき裂進展の予測を組合せ、IGSCC決定因子である腐食電位、材料のSCC感受性、残留応力の不確実さが余寿命予測に及ぼす影響を定量的に評価した。結論として、(1)予測による重点検査箇所の効率的な選定、(2)検査による予測精度の向上、を結合させることによりプラントの信頼性向上に貢献できることを示した。

論文

Mass transfer inside narrow crevice of SUS316L in high temperature water

山本 正弘; 相馬 康孝; 五十嵐 誉廣; 上野 文義

Proceedings of Annual Congress of the European Federation of Corrosion (EUROCORR 2018) (USB Flash Drive), 7 Pages, 2018/09

SUS316L材のBWR環境中でのSCC挙動解明のために、種々のすきま幅を持った資料の高温水中での物質移動係数を評価した。試料は5$$mu$$mから100$$mu$$mのすきま幅を持つSUS316L材を用い、8ppmの溶存酸素条件で試験した。試験後表面は、レーザーラマン分析法で評価し、電気化学反応と英道拡散を練成させたコムソルマルチフジックスソフトによる計算機シミュレーションも併せて実施した。すきま内の導電率は外部の100倍以上高く、その理由はすきま内で酸素が枯渇した環境でのFe$$^{2+}$$の存在であることを明らかにした。

論文

Influence of Zn injection on PWSCC crack growth rates and oxide film properties of Alloy 600

知見 康弘; 佐藤 賢二*; 笠原 茂樹; 梅原 隆司*; 塙 悟史

Proceedings of Contribution of Materials Investigations and Operating Experience to Light Water NPPs' Safety, Performance and Reliability (FONTEVRAUD-9) (Internet), 10 Pages, 2018/09

一次系冷却水中での応力腐食割れ(PWSCC)進展挙動への亜鉛注入の影響を調べるため、加圧水型軽水炉(PWR)一次系水模擬環境での10%冷間加工600合金の亀裂進展試験を、320$$^{circ}$$C、低濃度(5$$sim$$10ppb)の亜鉛注入、溶存水素濃度(DH)5, 30、及び50cc/kgH$$_{2}$$Oの条件下で実施した。その結果、亀裂進展速度のDH依存性が亜鉛注入なしの試験データに基づく亀裂進展速度の予測値と同様の傾向を示し、実機環境を模擬した低濃度亜鉛注入が亀裂進展挙動に及ぼす影響はほとんど見られなかった。そこで、亀裂進展試験後の試験片の亀裂内及び表面に生成した酸化皮膜の微細組織分析を実施したところ、試験片表面の酸化皮膜からは亜鉛が検出されたが、亀裂内に生成した酸化皮膜からは亜鉛が検出されなかった。このことから、亀裂先端部の酸化皮膜への亜鉛の取り込みがないことが亀裂進展挙動への亜鉛注入の影響が見られない原因であることがわかった。

論文

Evaluation of crack growth rates and microstructures near the crack tip of neutron-irradiated austenitic stainless steels in simulated BWR environment

知見 康弘; 笠原 茂樹; 瀬戸 仁史*; 橘内 裕寿*; 越石 正人*; 西山 裕孝

Proceedings of the 18th International Conference on Environmental Degradation of Materials in Nuclear Power Systems - Water Reactors, Vol.2, p.1039 - 1054, 2018/00

 被引用回数:2 パーセンタイル:57.67(Materials Science, Multidisciplinary)

照射誘起応力腐食割れ(IASCC)による亀裂進展挙動を理解するため、中性子照射したオーステナイト系ステンレス鋼の亀裂進展試験を実施して亀裂進展速度を評価し、亀裂先端における変形組織と酸化皮膜に着目したミクロ組織観察を実施した。供試材は12$$sim$$14dpaまで中性子照射した316Lステンレス鋼で、BWR模擬水質環境(約288$$^{circ}$$C)下で亀裂進展試験を行った。また亀裂進展試験後、FEG-STEMを用いて亀裂先端のミクロ組織を観察した。試験の結果、腐食電位(ECP)の低減による亀裂進展抑制効果は、文献で示されている約2dpa以下の損傷量の低い材料と比較して顕著ではなかった。また1000時間以上高温水中に浸漬し、高ECPと低ECPの双方の環境に置かれた試験片の亀裂内には酸化物形成が認められたが、低ECP条件下のみを経験した亀裂先端近傍には酸化皮膜の形成がほとんど認められなかった。さらに、亀裂先端近傍には変形に伴う双晶組織が高密度に形成していた。これらの結果より、高損傷量のステンレス鋼の亀裂進展挙動において、局所変形と酸化が支配的な因子であることが示唆された。

論文

Improvement of probabilistic fracture mechanics analysis code PASCAL-SP with regard to primary water stress corrosion cracking

真野 晃宏; 山口 義仁; 勝山 仁哉; Li, Y.

Proceedings of 25th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-25) (CD-ROM), 7 Pages, 2017/07

亀裂を有する原子力構造物の健全性評価には、決定論的な破壊力学に基づく手法が用いられている。一方で、影響因子の不確実性の考慮及び構造物の破損確率の定量評価が可能であるという理由から、確率論的破壊力学(PFM)に基づく手法の実用性が期待されている。原子力機構ではこれまでに、沸騰水型原子炉水質環境中における粒界型応力腐食割れや疲労等の経年劣化事象を考慮した原子力配管系の破損確率の評価を目的として、PFM解析コードPASCAL-SPの開発を進めてきた。近年国内では加圧水型原子炉一次系水質環境中応力腐食割れ(PWSCC)に起因する亀裂がニッケル合金溶接部において確認されていることから、その構造健全性評価が重要となっている。本論文は、PWSCCを考慮した一次系配管の評価を目的としたPASCAL-SPの改良について示すものである。PWSCCに関連する確率論的評価モデルとして、亀裂の発生、進展及び非破壊検査による亀裂の検出等のモデルを整備した。また、応力拡大係数の計算精度の向上を図った。評価事例としてPWSCCに起因する周方向及び軸方向亀裂を有するニッケル合金溶接部を対象とした破損確率の評価を示した。加えて、非破壊検査が破損確率に及ぼす影響を評価した。評価結果を踏まえて、改良したPASCAL-SPがPWSCCを考慮した一次系配管の破損確率評価に有用であると結論付けた。

論文

Irradiation assisted stress corrosion cracking

Pokor, C.*; Herbelin, A.*; Couvant, T.*; 加治 芳行

NEA/NSC/R(2016)5 (Internet), p.317 - 360, 2017/05

高経年化BWRプラントにおいて、炉心シュラウドの中心位置では照射誘起応力腐食割れ(IASCC)の感受性を持つ照射レベルになる。BWR炉内プログラムでは、BWRの炉内構造物における粒界型応力腐食割れ(IGSCC)進展特性の評価体系の開発を行ってきており、また日本の原子力安全基盤機構では、原子力発電所の高経年化維持管理のための安全研究開発の一環としてIASCC進展速度データに関するプロジェクトを実施してきている。多くの研究者がオーステナイト系ステンレス鋼やNi基合金のSCCやIASCC進展速度予測モデルを提案しているが、これらのモデルはまだ初期段階のモデルであることから詳細な実験結果と比較することによるモデルの高度化が必要である。

論文

ノルウェー滞在記OECD Halden Reactor Projectへの出向レポート

端 邦樹

放射線化学(インターネット), (103), P. 65, 2017/04

OECD/NEAの下で実施されている国際協力プロジェクトであるHalden Reactor Project(HRP)へ出向となり、平成27年5月からの約1年半の間ノルウェー南部の町ハルデンに滞在した。出向中は炉内構造材料の照射誘起応力腐食割れに関する試験に従事した。現地での業務の内容や私生活に関して報告する。

論文

Bayesian nonparametric analysis of crack growth rates in irradiated austenitic stainless steels in simulated BWR environments

知見 康弘; 高見澤 悠; 笠原 茂樹*; 岩田 景子; 西山 裕孝

Nuclear Engineering and Design, 307, p.411 - 417, 2016/10

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)

照射誘起応力腐食割れ(IASCC)進展挙動に影響を及ぼすパラメータを調べるため、ノンパラメトリックベイズ(BNP)法を用いて、照射されたオーステナイト系ステンレス鋼の沸騰水型軽水炉(BWR)環境におけるき裂進展速度に関する既存データの統計解析を試みた。き裂進展速度と照射材の降伏応力($$sigma$$$$_{rm YS-irr}$$)、応力拡大係数($$K$$)、腐食電位(ECP)、及び高速中性子照射量といった入力パラメータの確率分布から、き裂進展速度の中央値を計算し、き裂進展速度の実測値と比較した。解析結果はき裂進展速度の実測値をよく再現するとともに、き裂進展速度が高い領域(すなわち高中性子照射量条件)では、照射誘起偏析(RIS)や局所変形など照射硬化とは異なるメカニズムにより、中性子照射量がき裂進展速度に影響を及ぼす可能性を示している。

論文

Correlation between locally deformed structure and oxide film properties in austenitic stainless steel irradiated with neutrons

知見 康弘; 橘内 裕寿*; 笠原 茂樹; 茶谷 一宏*; 越石 正人*; 西山 裕孝

Journal of Nuclear Materials, 475, p.71 - 80, 2016/07

 被引用回数:9 パーセンタイル:64.39(Materials Science, Multidisciplinary)

中性子照射したオーステナイト系ステンレス鋼の高温水中での照射誘起応力腐食割れ(IASCC)機構を理解するため、局所変形組織とその上に生成された酸化皮膜、及びそれらの相関について調べた。照射した316Lステンレス鋼から製作した引張試験片に室温または563Kで0.1%$$sim$$2%のひずみを与え、表面組織と結晶粒の局所方位差を評価した。ひずみ付与試験片を高温水中に浸漬し、局所変形領域上に生成された酸化皮膜のミクロ組織を観察した。表面ステップ組織は、中性子照射量及び付与ひずみ量に依存して変化した。粒界近傍での表面酸化皮膜は、中性子照射量及び粒界での局所的なひずみの増加に伴って厚くなる傾向が見られた。粒界や表面ステップに沿って優先的に酸化が進む様子は見られなかった。

論文

EBSP法によるSCCき裂先端の塑性変形挙動解析

加治 芳行; 三輪 幸夫; 塚田 隆

日本機械学会M&M2005材料力学カンファレンス講演論文集, p.175 - 176, 2005/12

EBSP法によるSCCき裂先端の塑性変形挙動解析を実施した結果、以下のような結論を得た。(1)SCCき裂先端の塑性変形挙動を定量的に評価するための基礎データとして、SUS316L鋼を用いた高温水中SSRT試験片を用いて、塑性変形量と結晶粒のmisorientation量との関係を取得し、この関係を用いて局所的な塑性ひずみを推定することを可能にした。(2)misorientation量と塑性変形量との関係を用いて、SCCき裂及び延性き裂先端の塑性ひずみを測定した結果、延性き裂先端近傍の塑性ひずみはSCCき裂に比べて大きいことがわかった。しかし、塑性変形領域はいずれのき裂においても、き裂先端の結晶粒1個程度の領域であった。

論文

Present status of in-pile IASCC growth tests at JMTR

加治 芳行; 宇賀地 弘和; 中野 純一*; 松井 義典; 川又 一夫; 塚田 隆; 永田 暢秋*; 堂崎 浩二*; 瀧口 英樹*

HPR-364, Vol.1 (CD-ROM), 10 Pages, 2005/10

照射誘起応力腐食割れ(IASCC)は、軽水炉のステンレス鋼製構造物の長期運転において、重要な課題の一つである。IASCCの研究分野では、照射下でのSCC試験を実施することは大変困難なため、おもに照射材を用いたPIEを実施している。したがって、照射下SCC試験の重要な技術として、負荷応力レベル,水化学,照射条件等の効果に関する情報を得るために試験技術の開発を行ってきた。本報告では、開発した種々の技術、特に試験片の荷重制御,き裂進展モニタリング技術などについて述べ、JMTRにおける照射済み材料を用いた照射下IASCC進展試験の現状についても述べる。

報告書

原研-サイクル機構融合研究成果報告書; 照射環境における原子炉構造材料の劣化現象に関する研究

上野 文義; 永江 勇二*; 根本 義之; 三輪 幸夫; 高屋 茂*; 星屋 泰二*; 塚田 隆; 青砥 紀身*; 石井 敏満; 近江 正男; et al.

JAERI-Research 2005-023, 132 Pages, 2005/09

JAERI-Research-2005-023.pdf:33.03MB

原研とサイクル機構は、平成15年度から研究開発の効率的推進と研究の相乗的発展を目指す「融合研究」を開始した。本研究は、「融合研究」の一つとして、高速炉や軽水炉環境などの照射環境において生じる構造材料の照射劣化現象を対象に、劣化機構の解明,早期検出及び評価方法の開発を目的とした。平成16$$sim$$17年度は、本研究に用いる照射材対応の遠隔操作型の微少腐食量計測装置,腐食試験装置及び漏えい磁束密度測定装置を整備し、SUS304の照射後及び非照射クリープ試験片や照射後高純度モデル材を共通試料とし、両手法を用いた劣化検出を試みるとともに、比較のための非照射劣化模擬試料を用い、基礎的なデータを取得した。これらの結果に基づき、本研究において提案した劣化評価法の適用性を検討した。

論文

Stress corrosion cracking growth behavior of in-core materials

加治 芳行

Proceedings of KNS-AESJ Joint Summer School 2005 for Students and Young Researchers, 2, p.221 - 228, 2005/08

炉内構造物に対しては、主な研究項目は、BWRの炉心シュラウドや再循環系配管における低炭素ステンレス鋼の粒界型応力腐食割れ(IGSCC)と中性子や$$gamma$$線,高温水による腐食及び応力の同時作用効果により発生する照射誘起応力腐食割れ(IASCC)である。本講演では、IGSCC及びIASCCの機構論的理解のための基礎的な研究,経済産業省の国家プロジェクトの一環として実施している照射後IASCC試験データに基づくBWRプラントのIASCC評価技術開発及び照射下IASCC試験の現状と主な成果について紹介する。

報告書

材料試験炉,運転と技術開発 No.18; 2003年度

材料試験炉部

JAERI-Review 2004-029, 100 Pages, 2005/01

JAERI-Review-2004-029.pdf:19.03MB

2003年度(平成15年度)は、第148サイクルから第152サイクルまでの計5サイクルの利用運転を行った。この間、軽水炉炉内構造物の照射誘起応力腐食割れ(IASCC)の研究,核融合炉ブランケットの開発研究,材料基礎研究,放射性同位元素(RI)の製造・開発等を目的とした照射試験及び照射後試験を実施した。今年度、照射実験設備の故障,中性子検出器の故障によりそれぞれ原子炉の計画外停止があり、復旧及び再発防止のための対策等を講じた。照射技術の開発では、原研・原電の共同研究で進めているIASCC照射下試験(照射中にIASCCを再現)の実施に向け、炉外装置の設置及びモックアップキャプセルを使用した試験等を行うとともに、試験時の腐食電位測定のための水質評価モデルの検討等を行った。核融合炉ブランケットに関する研究では、高温で使用可能なトリチウム増殖材料,耐放射線性小型モータの開発等を行った。このほか、国際研究協力協定に基づき、照射試験,照射後試験技術の開発に関する韓国原子力研究所(KAERI)との研究協力,核融合炉ブランケット開発に関するIEA(国際エネルギー機関)国際協力等を実施した。また、所内にJMTR将来計画検討委員会を設置し、大学,産業界,研究機関からの有識者,専門家の参加を得て、JMTRの今後の計画について検討を行った。

論文

Development of test techniques for in-pile SCC initiation and growth tests and the current status of in-pile testing at JMTR

宇賀地 弘和; 加治 芳行; 中野 純一*; 松井 義典; 川又 一男; 塚田 隆; 永田 暢秋*; 堂崎 浩二*; 瀧口 英樹*

Proceedings of 12th International Conference on Environmental Degradation of Materials in Nuclear Power Systems-Water Reactors (CD-ROM), p.319 - 325, 2005/00

ステンレス鋼の照射誘起応力腐食割れ(IASCC)は軽水炉炉内機器の高経年化における重要な問題となっている。IASCCは中性子照射,応力及び高温高圧水環境が同時に作用して発生する現象であり、IASCCの機構解明のためにはその重畳効果を評価する必要があるが、炉内でのIASCC試験の実施が技術的に困難であるため、従来のIASCC研究は主として中性子照射を受けた材料を用いて炉外における照射後試験により実施されてきた。本研究では、原研大洗研の材料試験炉(JMTR)を用いて、沸騰水型軽水炉(BWR)の炉内環境を模擬した水質,温度及び圧力を高度に制御できる高温高圧水供給装置及び荷重負荷機構を有する照射下試験用キャプセルを開発するとともに、同キャプセルに照射済試験片を再装荷する技術を開発して、日本国内で初となる照射下SCC試験(き裂発生試験及びき裂進展試験)を実施している。本会議では、照射下試験のための技術開発及び照射下試験の現況について報告する。

論文

Plastic deformation behavior of type 316LN stainless steel in non-irradiated, thermallysensitized condition or in irradiated condition during SSRT

三輪 幸夫; 塚田 隆; 實川 資朗

Proceedings of 12th International Conference on Environmental Degradation of Materials in Nuclear Power Systems-Water Reactors (CD-ROM), p.311 - 318, 2005/00

熱鋭敏化又は照射した316LNステンレス鋼の応力腐食割れに影響する塑性変形挙動を調べた。熱鋭敏化は1033Kで100hとし、中性子照射は473kで1dpaまで行った。これらの試験片に対して、溶存酸素を含む573Kの高温水中にて低ひずみ速度試験を行い、粒界割れ破面率と塑性変形挙動の関係を比較した。真応力-真ひずみ関係でみると、照射材でのひずみ硬化率や照射誘起応力腐食割れ(IASCC)を生じる真応力などの塑性変形挙動は、熱鋭敏化材での塑性変形挙動と同じであった。さらに、粒界割れ破面率に及ぼす歪み速度の影響も同じであった。これらの結果から、1dpa程度まで照射した試験片では、IASCCの発生機構は、熱鋭敏化材の粒界型応力腐食割れ発生機構と同様であると考えられた。

報告書

サイクル機構-原研融合研究成果報告書; 照射環境における原子炉構造材料の劣化現象に関する研究(共同研究)

星屋 泰二*; 上野 文義; 高屋 茂*; 永江 勇二*; 根本 義之; 三輪 幸夫; 青砥 紀身*; 塚田 隆; 阿部 康弘*; 中村 保雄*; et al.

JAERI-Research 2004-016, 53 Pages, 2004/10

JAERI-Research-2004-016.pdf:22.07MB

日本原子力研究所と核燃料サイクル開発機構は、平成15年度から、両機関の統合に向けた先行的取り組みとして、研究開発の効率的推進と相乗的発展を目指す「融合研究」を開始した。本研究は、原子炉構造材料分野における「融合研究」として、高速炉や軽水炉の照射環境における構造材料について、照射劣化機構の解明,劣化の早期検出及び評価方法の開発を目的とする。平成15年度は、本研究に用いる遠隔操作型磁化測定装置及び微少腐食量計測装置の設計及び開発を行った。耐放射線及び遠隔操作を考慮したこれらの装置により、照射後試料の劣化現象を高感度に検出することが可能となった。今後、両装置を用いて照射材を用いた材料劣化の研究を実施する。

論文

Effects of irradiation and water temperatures on IASCC susceptibility of stainless steels

三輪 幸夫; 塚田 隆

Proceedings of 8th Japan-China Symposium on Materials for Advanced Energy Systems and Fission & Fusion Engineering, p.161 - 168, 2004/10

照射誘起応力腐食割れ(IASCC)は、軽水炉の炉内構造材料の環境劣化事象の1つである。333$$sim$$673Kで1.1$$sim$$16dpaまで照射した316(LN)鋼を用いて、IASCC感受性に及ぼす照射温度と水温の影響を調べた。573K以下で1.1$$sim$$16dpaまで照射された試験片では、溶存酸素を含む高温水中においても、水温が513KであればIASCCが発生しなかった。しかし、水温が533K以上であれば、照射温度にかかわらずIASCCが発生した。照射温度は、水温が513K以下でIASCC感受性に大きな影響を与えることから、この照射温度依存性を他の照射誘起現象の温度依存性と比較した。

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